熱交換器の種類と目的について詳細解説

化学工学

熱交換器とは、異なる温度の流体を流し、熱交換させる装置です。

化学プラントでは、工程や装置ごとに異なる温度で運転されるため、加熱や冷却を行う装置が不可欠となります。

今回は、熱交換器の種類やその目的について詳しく説明します。

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熱交換器の概要

化学プラントにおいて、熱交換器は非常に重要な役割を担っています。

プロセスごとに適した温度に加熱・冷却するための装置で、さまざまな種類や大きさのものが設計・選定されます。

熱交換器の設計に関しては、どこまでを設計し、どこからを外部に委託するかは、会社によって異なります。
例えば、物性や伝熱計算まで社内で行い、その後の機械的な構造設計はベンダーに依頼することがあります。

熱交換器の分類

熱交換器はさまざまな分類方法がありますが、ここでは使用目的と構造による分類について詳しく説明します。

使用目的による分類

同じ構造の熱交換器であっても、使用目的によって名称が異なります。

代表的なものを以下に紹介します。

  • Heater(加熱器): 流体を加熱するための装置です。
    反応器や蒸留塔の前段に設置されることが多く、予熱器とも呼ばれます。
  • Evaporator(蒸発器): 流体を蒸発させるために使用され、Vaporizerとも呼ばれます。
    加熱により蒸発を行う装置です。
  • Reboiler(再沸器): 蒸留塔の塔底に設置され、液体を再沸騰させてガスとして戻す装置です。
  • Cooler(冷却器): 流体を冷却する装置で、最もイメージしやすいタイプです。
  • Condenser(凝縮器): 流体を冷却して凝縮させる装置で、蒸留塔の塔頂から流出するガスの凝縮に使用されます。

構造による分類

実務上、構造による分類は非常に重要です。

構造が異なると、伝熱計算式や使用条件も異なります。代表的な熱交換器の構造を以下に示します。

  • 多管式熱交換器(Shell & Tube): 化学プラントで最も使用されている形式です。
    多数の伝熱管を円筒状のシェル内に配置し、流体同士が混ざらないように分離して熱交換を行います。
  • 二重管式熱交換器: 内筒と外筒にそれぞれ異なる流体を流し、熱交換を行います。
    クリーニングが容易なため、汚れやすい流体に適しています。
  • 渦巻板式熱交換器(スパイラル式): 2枚の平行板を渦巻状に巻いて構成される熱交換器です。
    汚れにくく、装置がコンパクトである点が特徴です。
  • 平板式熱交換器(プレート式): 多数の溝が彫られた平板を重ねて固定し、各平板間で熱交換を行います。
    メンテナンスが容易で、流体の流量変化にも柔軟に対応できます。

まとめ

熱交換器は、化学プラントやさまざまな産業において欠かせない装置です。

目的や構造に応じて最適なものを選定することが求められます。
設計手法や種類の理解が、効果的な熱管理を実現する鍵となるでしょう。

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