竹内結子の死去報道内容がヒドイ。ウェルテル効果や自殺報道ガイドラインの無視は危険

三浦春馬さん、芦名星さん、藤木孝さん、
そして竹内結子さんと、俳優の訃報が続くたびに
TVや雑誌、インターネットを媒介に
多くの情報が一般人に届けられています。

 

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しかし著名人の自殺に関する報道が過熱するほど
その裏で自殺者が増えていることをご存じですか?

 

今回の竹内結子さんの死去報道を見ていると
報道内容が加速度的にヒートアップし
ヒドイ状況であると言わざるを得ません。

 

絶望する女性

 

そしてそういった負の連鎖を防ぐために
世界保健機関(WHO)により作成された
自殺報道ガイドラインというものが存在し、
厚生労働省を通じてメディア関係者には
都度周知徹底がなされています。

 

しかし日本のメディアはそのガイドラインを
完全には守っていないのが現実です。

今日は、日本メディアの自殺報道がヒドイ理由と
ウェルテル効果と自殺報道ガイドラインについて
調べました。

 

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竹内結子さんの死去報道は何がヒドイのか?

下記の中日スポーツの記事(竹内結子さんの死に関する記事)を見て、皆さんはどう思われますか?

竹内結子さんはクローゼット内で意識不明状態 午前2時ごろ夫が発見

女優の竹内結子(たけうち・ゆうこ)さんが27日午前2時ごろ、東京都渋谷区の自宅マンションで意識不明の状態になっているのを夫の俳優中林大樹(35)が発見、119番通報した。竹内さんは搬送先の病院で死亡が確認された。40歳。警視庁は状況から自殺とみているが、遺書は見つかっていない。竹内さんは昨年2月に再婚、今年1月には第2子となる男児を出産。幸せな家庭を新たに築いたと思われていただけに、あまりに突然の悲報だった。

救急通報があったのは27日午前2時ごろ。自宅にいた中林が寝室に入り、クローゼットの中で意識不明状態の竹内さんを見つけた。家には子ども2人もいたが、異常には気付かなかったという。

新たに人生をともに歩む相手を見つけ、愛の結晶を授かり、仕事を休んで子育てに専念しているだろう、幸せな家庭を築いているのだろうと、誰もが思っていた。順風満帆な女優人生を歩み、着実にキャリアを積み重ねて常に主役を張る、大女優と言われるまでになった竹内さん。子育てに加えて、新型コロナウイルス感染拡大もあって今年はドラマや映画など、役者としてお茶の間に出ることはなかったが、その名前を世間が忘れることはなかった。

彼女に何があったのだろうか―。

(中略)

あれから26日。2児の母となり、人生の経験を積んで、新たな女優のキャリアをスタートさせるところだった。それが、なぜ…。何かに悩んでいたのか、本人の知らぬ間に心の病が忍び込んでいたのか。

 

【いのちの電話】

0570-783-556(ナビダイヤル)
午前10時から午後10時まで

0120-783-556(フリーダイヤル・無料)
毎日16時から21時まで
毎月10日午前8時から翌日午前8時まで
(IP電話(アプリケーション間の無料通話を除く)からは03-6634-7830)

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/878615b8de0c98633e40e39e6e63bbbddf3d0662

 

この記事は9月27日23:00時点で、Yahoo!ニュースのアクセスランキングのトップの記事です。

日本中の多くの方が見られている記事だと思います。

 

  • 竹内結子さんがどこで発見されたのか?
  • 竹内結子さんを発見された人は誰か?
  • 竹内結子さんが発見された時の家族の状況は?

など、竹内結子さんの訃報が報道されてから
1日も経たないうちにこんなにも詳細な状況が
インターネットを介して
誰でも簡単に無料で見れています。

 

もちろん竹内結子さんのファンだけでなく
竹内結子さんを知る多くの方が気になっている
情報であることは間違いありません。

 

しかしここで気を付けなくてはならないことは、こういった報道がなされた日を境に、自殺率や自殺者数が増加する傾向が事実として確認されています。
しかも自殺をされる人たちのほとんどは、何かの著名な人を追って自殺する「後追い自殺」ではありません。

 

なぜこういったことが起きてしまうんでしょうか?

これを説明するのが『ウェルテル効果』と呼ばれる現象です。

 

※9/28(月)追記

日刊スポーツからも節度を越えた
記事が出されていますね。

竹内結子さん自殺か 前夜家族と食事後、先に寝室へ

関係者によると、竹内さんは27日未明、東京都渋谷区内の自宅マンションでぐったりしているのを、夫で俳優の中林大樹(35)が見つけ、119番通報。
警視庁渋谷署の警察官も駆けつけ、都内の病院に救急搬送されたが、死亡が確認された。発見された時には心肺停止状態で、遺書などはなかったという。

別の関係者によると、前日26日夜は、家族で食卓を囲み、何も変わった様子はなかったという。夕食後、竹内さんは先に自宅内の2階寝室に向かったという。

所属事務所はこの日、竹内さんの急死を公式ホームページで発表。「日頃よりお世話になっている関係者の皆様、応援してくださっているファンの皆様に、この様な辛いお知らせを申し上げることになり、あまりに突然の出来事で所属タレント、社員は驚きと悲しみで呆然としております。詳しい状況は現在確認中です」などと報告した。

引用元 日刊スポーツ

 

関係者の話しとして当時の様子を鮮明に
書かれていますね。

 

所属事務所のコメントを載せていますが、
日刊スポーツが報じている内容は
所属事務所が求めている内容とは
真逆のことであることが残念でなりません。

 

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ウェルテル効果とは?

ウェルテル効果とはマスメディアの自殺報道に影響されて、自殺が増える事象です。知名度や人気の高い人―芸能人やスポーツ選手―が自殺すると連鎖的に自殺が増える現象は、連鎖自殺・誘発自殺・ドミノ自殺とも別名呼ばれます。

引用元 https://kayakura.me/werther-effect/

ウェルテル効果

 

ウェルテル効果』という名前は、ゲーテの著作『若きウェルテルの悩み』に由来して命名されました。
作品の中で主人公のウェルテルは最終的に自殺をしますが、このことに影響されシンパシーを持った若者がウェルテルと同じ方法で自殺したことに由来します。

ウェルテル効果の特徴はただ後追い自殺するのではなく
自殺の方法自体を模倣するという点です。

 

言い換えると、メディアが自殺の方法を詳細に報道すると模倣の後追い自殺につながってしまうということです。

 

これは現代で実証的に確認されている現象です。

日本では過去に、岡田有希子さんhideさんの自殺も
似た方法を選ぶ傾向にあったことがわかっています。

 

また模倣自殺をする人は決してその著名人のファンではありません。

自殺というような選択肢が
テレビやインターネットなどで
繰り返し報じられることによって、
ある種の自殺の火薬を
心に背負っている人のトリガーが
引かれてしまうのです。

あるいは、死という選択肢を選ぶことで
「今よりマシな反応を周りがしてくれる」
「今よりマシな状況になっていく」
ような選択肢を与えてしまうことによって
自殺が連鎖をしてしまうのです。

 

これがウェルテル効果です。

 

そしてこういったウェルテル効果の問題を予防するために世界保健機関(WHO)は自殺対策ガイドラインを作成し、日本でも厚生労働省がWHO自殺予防メディア関係者のための手引きを日本語で公開しています。

 

自殺報道ガイドラインとは?

では自殺報道ガイドラインの中身は
どのようなことが書かれているのでしょうか?

すぐわかる手引き  やるべきこと

  • どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること
  • 自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと
  • 日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること
  • 有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること
  • 自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること
  • メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること

 

竹内結子さんの死亡ニュースについて
ほとんど全ての記事で
【いのちの電話】の相談窓口の情報を
入っていました。

第一報から支援を受ける方法について
配慮することへの意識など、
やるべきことを実践することは
広がっていると思います。

 

すぐわかる手引き  やってはいけないこと

  • 自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
  • 自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
  • 自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
  • 自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
  • センセーショナルな見出しを使わないこと
  • 写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと

 

しかし、やってはいけないことについては
ほとんどの記事で無視をされていたのではないでしょうか?

 

まず竹内結子さんの死を
各メディアが速報しましたが、
見出しに「自殺」の文字を入れて
速報したメディアも
少なくはありませんでした。

スマートフォン画面に速報を表示させる
「プッシュ通知」機能で、
通知音とともにスマホを見た瞬間に
「自殺」という文字を見せることになります。

 

また、様々に視点を変えながら
何度も繰り返し報道が行われたいっても
間違いではありません。

 

極めつけは、冒頭でお見せした
中日スポーツの記事です。

自殺が発生した現場や場所の詳細を
書いており、明らかにガイドラインに
逸脱しています。

 

これらは全て記事のアクセス数を稼ぐための
手法であることは明白です。

 

ガイドラインを守ると他のメディアに負けてしまう、読み手の欲求を満たす記事を書くことの方が大切と考えているのであれば、それは亡くなった方やその親族を蔑(ないがし)ろにする行為に他なりません。

 

自殺報道ガイドラインを逸脱した場合は罰則はある?

残念ながら
自殺報道ガイドラインを逸脱しても
罰則はありません。

 

あくまで厚生労働省や『いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)』からの周知徹底のみです。

 

繰り返し呼びかけが行われていますが、
残念ながら完全に抑止できるまでには
至っていないのが現状です。

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悲劇の連鎖を繰り返さないために必要なこと

負のスパイラル

 

メディアは自殺に関連した事実のみを扱い、
自殺報道ガイドラインに即して
過度な報道を控えることを徹底する必要があるでしょう。

海外メディアは自殺予防ガイドラインに沿った報道が
なされるようになってきていると言われていますが、
日本はまだ十分とは言えない状況です。

 

そして情報を見る側も、
自殺報道ガイドラインやウェルテル効果を理解して
悪質な記事はアクセスしない、SNSで拡散しないといった
節度をもったマナーを心掛ける必要があります。

 

ウェルテル効果は人為的に引き起こされるものであり、人為的に防ぐことができる現象です。ウェルテル効果を知り、積極的に防ぐためのアクションをとっていくことが大切です。

Kojiの一言

ここではディア関係者の問題に
フォーカスした内容ですが、
この問題は一般の方にも
注意をして欲しい問題です。

インターネットによって
誰でも情報発信をできるようになり、
メディアやコンテンツの数も激増している
現代だからこそ、
何を伝えている情報なのかをより注意して
視聴者は取捨選択する必要があると思います。

 

メディア側から提供される記事の良し悪しは、その記事がSNSなどを通じてどれほどアクセスされたか、拡散されたかで判断されており、メディアが人気取りのために何でもしていいと間違った判断に陥ってしまう恐れがあるためです。

 

今回の記事で、1人でも多くの方が
ウェルテル効果や自殺報道ガイドラインの
内容や存在を理解いただき、
誠実な対応をしているメディアの情報を
チェックできる人が
増えてくれば幸いです。

 

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