マッハ数とは

CAE用語
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マッハ数

一言で表すと

マッハ数とは、物体の速度が音速に対してどの程度かを示す無次元数です。

概要

マッハ数(Mach number)は、流体力学や航空力学において、物体の速度が音速に対して相対的にどれくらいかを示す指標です。具体的には、物体の速度をその時の音速で割った値で表されます。マッハ数は、流体の圧縮性や音速の変化を理解するための重要な指標であり、特に超音速や亜音速の流れを扱う際に不可欠です。

イメージ

マッハ数を理解するためには、飛行機が空気中を移動するシーンをイメージすると良いでしょう。例えば、音速を超えて飛行する超音速機(マッハ数1以上の飛行機)は、音速を越える速度で空気中を移動しています。

このときのマッハ数は、音速と比較した飛行機の速度を示しており、マッハ数が高いほど音速に対する速度の割合が大きいことを意味します。

定義

マッハ数は以下の式で定義されます:

$$
\text{Ma} = \frac{v}{a}
$$

ここで、

  • \( v \) は物体の速度
  • \( a \) はその時の音速(流体の密度や温度に依存)

マッハ数は、物体の速度をその時の音速で割ることで求められ、無次元数であるため、比較や相対的な評価が容易です。

CAEにおける重要性

CAE(Computer-Aided Engineering)において、マッハ数は以下のような重要な役割を果たします:

  • 流体の圧縮性評価: 超音速や亜音速の流れを解析する際に、マッハ数は流体の圧縮性を評価するための重要な指標です。特に航空機やロケットの設計、流体の圧縮効果を考慮する必要があるシミュレーションで重要です。
  • 音速の影響分析: マッハ数は、音速の変化に対する物体の速度の相対的な影響を示します。これにより、音速に近い速度での流れや、超音速での挙動を正確にモデル化できます。

物理的意味合い

マッハ数には以下のような物理的な意味合いがあります:

  • \( text{Ma} \) < 1: 物体の速度が音速よりも遅い状態で、亜音速流れと呼ばれます。この状態では、流体は音速を超えないため、圧縮性の影響が比較的小さいです。
  • \( text{Ma} \) = 1: 物体の速度が音速と同じ状態で、音速に達した状態です。この場合、音波が物体の前方や後方に影響を与えることがあります。
  • \( text{Ma} \) > 1: 物体の速度が音速を超える状態で、超音速流れと呼ばれます。この状態では、流体の圧縮性が顕著に現れ、衝撃波や圧縮波が形成されます。

まとめ

マッハ数は、物体の速度が音速に対してどの程度かを示す無次元数であり、流体力学や航空力学において重要な役割を果たします。CAEにおいては、超音速や亜音速の流れを解析する際に、流体の圧縮性や音速の影響を評価するために不可欠です。マッハ数を理解し、適切に利用することで、流体の挙動や設計の精度を向上させることが可能です。

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