粒子法とは:DEM法、MPS法、SPH法を紹介

CAE用語
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粒子法

一言で表すと、、

粒子法は、流体や固体の挙動を粒子単位でモデル化し、シミュレーションする手法です。CAE分野で広く利用されるこれらの手法は、複雑な物理現象を解析するために重要な役割を果たします。

概要

粒子法は、物質を多数の粒子としてモデル化し、これらの粒子間の相互作用を解析することで、全体の挙動を予測する手法です。特に、DEM法(離散要素法)、MPS法(移動粒子半陰陽法)、SPH法(スムース粒子流体力学法)の3つが主要な粒子法として知られています。

それぞれの手法は、流体や固体のシミュレーションに特化しており、流体力学、粉体力学、構造力学など幅広い分野で活用されています。

イメージ

粒子法のイメージとしては、流体や固体が多数の微小な粒子で構成されている様子を思い浮かべると分かりやすいでしょう。これらの粒子が相互作用しながら移動・変形することで、物質全体の挙動がシミュレーションされます。粒子同士の衝突や流動がリアルタイムで再現され、現実に近いシミュレーション結果が得られます。

定義

DEM法(離散要素法)

DEM法は、固体粒子の運動と相互作用を解析する手法です。個々の粒子は剛体として扱われ、粒子間の接触力や摩擦力を計算することで、全体の運動をモデル化します。DEM法は、粉体の流動、土壌の挙動、岩石破砕など、固体の微視的な挙動解析に適しています。

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MPS法(移動粒子半陰陽法)

MPS法は、流体粒子の運動をシミュレートする手法です。流体を粒子として表現し、粒子間の力学的相互作用を計算することで、流体の流れを再現します。MPS法は、自由表面を持つ流体のシミュレーションや、非線形波動の解析に適しています。

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SPH法(スムース粒子流体力学法)

SPH法は、流体の運動を解析するもう一つの手法で、流体をスムースな粒子群としてモデル化します。各粒子は、周囲の粒子と連続的に相互作用し、流体の運動を再現します。SPH法は、流体の自由表面の変化や多相流のシミュレーションに適しており、特に流体と構造物の連成解析で有効です。

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CAEにおける重要性

粒子法は、CAE(計算機援用工学)分野で重要な役割を果たしています。従来の連続体モデルでは再現が難しい複雑な物理現象を、粒子法によってより現実的にシミュレーションすることが可能になります。例えば、DEM法を用いた粉体シミュレーションでは、粒子の堆積や流動特性を高精度で解析でき、材料設計やプロセスシミュレーションにおいて重要なインサイトを提供します。

MPS法やSPH法は、流体の複雑な挙動、特に自由表面や多相流の動きをシミュレーションする際に欠かせないツールです。これらの手法は、ダムの破壊解析や津波のシミュレーションなど、緊急事態におけるリスク評価にも応用されています。

物理的意味合い

粒子法の物理的意味合いは、微視的な粒子間相互作用を考慮することで、物質全体のマクロな挙動を再現する点にあります。DEM法では、粒子間の衝突や摩擦が全体の動きに与える影響が、MPS法やSPH法では流体の非線形な動きが解析の焦点となります。これにより、粒子法は、流体と固体の連成問題や、従来の解析手法では困難な現象をリアルに再現することができます。

まとめ

粒子法は、CAE分野で多くの課題に対する強力な解決策を提供する手法です。DEM法、MPS法、SPH法は、それぞれの特徴を活かして、固体や流体の複雑な現象を解析します。これらの手法を理解し、適切に活用することで、より現実的で信頼性の高いシミュレーション結果を得ることが可能となります。粒子法の理論と応用を深く理解し、CAE解析の質を向上させましょう。

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