VOF(Volume of Fluid)とは

CAE用語
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VOF法

一言で表すと

VOF(Volume of Fluid)法とは、流体シミュレーションで複数の流体や界面を効率的に追跡するための数値手法です。

概要

VOF(Volume of Fluid)法は、主にCFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションで使用される界面追跡技術です。この手法は、異なる流体の間の界面を正確にモデリングすることを目的としています。

VOF法は、流体の体積分率を計算することで、流体の移動や界面の変化をシミュレーションします。

この方法は、複雑な界面や自由表面のシミュレーションに適しており、液滴の分裂や合体などの現象を扱うのに有効です。

イメージ

VOF法を理解するためには、液体と気体が混在するシミュレーションをイメージすると良いでしょう。例えば、水滴が空気中で落ちるシミュレーションを考えると、VOF法は水と空気の界面を追跡し、水滴の変形や分裂をリアルに再現します。流体の各セルにおける体積分率を計算し、その結果を用いて界面の動きや形状の変化を把握するイメージです。

定義

VOF法の基本的な定義は以下の通りです:

  • Volume Fraction: 各計算セル内の流体の体積分率を示す値で、0から1の範囲で表されます。0はセル内に流体が存在しないことを、1はセル内に完全に流体が存在することを示します。
  • 界面追跡: セル内の体積分率を基に、流体の界面を追跡し、流体間の境界の位置を特定します。

VOF法では、流体の体積分率を各セルに対して計算し、これを用いて界面の変化や流体の動きを予測します。

CAEにおける重要性

CAE(Computer-Aided Engineering)において、VOF法は以下のような重要な役割を果たします:

  • 自由表面のシミュレーション: 流体の界面や自由表面を正確にモデリングするためにVOF法は広く用いられています。特に、液滴の挙動や液体の波動、気泡の挙動などのシミュレーションで重要です。
  • 複雑な流体挙動の解析: 複数の流体が混在するシミュレーションにおいて、VOF法は界面の動きを追跡するための強力なツールです。これにより、設計や解析の精度が向上します。

物理的意味合い

VOF法は、流体の界面を追跡するための物理的なアプローチを提供します。以下のような物理的意味合いがあります:

  • 界面の追跡: VOF法は、異なる流体間の界面を追跡することで、流体の動きや変化をリアルに再現します。
  • 体積分率の計算: 各セル内の体積分率を計算し、流体の分布を正確に把握することで、界面の変化や流体の動きがシミュレーションできます。

まとめ

VOF(Volume of Fluid)法は、流体シミュレーションにおける界面追跡のための強力な数値手法です。流体の体積分率を基に、複数の流体や複雑な界面の動きを正確にシミュレーションすることができます。CAEにおいては、自由表面のシミュレーションや複雑な流体挙動の解析において重要な役割を果たします。VOF法を適切に利用することで、流体の動きや界面の変化をより正確に把握することが可能です。

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