基本から学ぶネットワーク技術の基礎

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ネットワークの基本とは

現代の情報社会では、ネットワーク技術が欠かせません。

ネットワークとは、コンピュータやデバイスを互いに接続し、データの送受信を可能にする仕組みのことです。
インターネットや企業の社内ネットワークも、すべてネットワーク技術に基づいています。

ネットワークは、通信インフラの基盤として、データの効率的な交換を実現し、情報の共有やリソースの最適化に大きく貢献します。

ネットワークの基本的な構成要素

ネットワークには、次のような主要な構成要素があります。

  • 端末(クライアントとサーバー):ネットワークに接続して情報を交換するコンピュータやスマートフォンなど。
  • ルーター:異なるネットワーク同士をつなぎ、データの転送を最適化するデバイス。
  • スイッチ:複数の端末を接続し、同じネットワーク内で効率的にデータを交換する装置。

このような構成要素を用いて、ネットワークはデータのやり取りを円滑に行えるよう設計されています。


ネットワーク通信における「パケット」の役割

データがネットワーク上で転送される際、通常「パケット」と呼ばれる小さな単位に分割されて送信されます。

これは、データの転送効率を高め、エラーを検出・修正しやすくするためです。

パケットとは

パケットは、送信するデータを小分けにした単位であり、各パケットには送信元や宛先、データそのもの、エラーチェック情報が含まれています。

こうすることで、インターネットのような不安定なネットワーク環境でも、効率的にデータを送受信できます。

パケット分割の利点

  • エラーチェックが容易:パケットごとにエラーチェックを行うため、一部のデータが壊れても再送信が簡単に行えます。
  • ネットワーク帯域の効率化:大きなデータを小分けにすることで、複数のデータが同時にネットワークを流れることが可能になります。

パケット交換方式の概要

パケット交換方式とは、送信したいデータをパケットに分割し、ネットワーク上で効率的にルーティングする方式です。

代表的な例がインターネットで使用されている「IP(インターネット・プロトコル)」です。
IPでは、パケットが最適な経路を選択し、宛先に到達します。


伝送時間の計算方法

ネットワークでデータを送受信する際の「伝送時間」は、データ容量や回線速度、伝送効率と回線効率によって決まります。

以下に、それぞれの要素について詳しく説明します。

データ容量とは

データ容量は、送信する情報の量のことです。

たとえば、1MB(メガバイト)のデータと10MBのデータでは、同じ回線速度であれば1MBのデータの方が早く伝送されます。

回線速度の概要と影響

回線速度は、データがネットワーク上を通過するスピードのことです。

単位はbps(ビット毎秒)で表され、高速な回線ほど短時間で多くのデータを送れます。

回線速度が速いほど伝送時間は短縮されます。

伝送効率と回線効率の意味

  • 伝送効率:データの転送がどれだけ効率的に行われるかを示す指標です。データ送信中のエラーや遅延が少ないほど、伝送効率は高くなります。
  • 回線効率:回線全体で利用可能な帯域幅の中で、どれだけのデータが実際に利用されているかを示します。

伝送時間計算の例

伝送時間(秒) = データ容量(ビット) ÷ 回線速度(bps)

例えば、10MB(約80,000,000ビット)のデータを10Mbpsの回線で送信する場合、伝送時間は次のように計算されます。

伝送時間 = 80,000,000 ÷ 10,000,000 = 8秒


LANとWANの違いと特徴

ネットワークは、その規模や使用範囲によってLAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)に分けられます。

それぞれの特徴について見ていきましょう。

LAN(Local Area Network)とは

LANは、オフィスや家庭内など、限られたエリア内で使用されるネットワークです。

LANは短距離内での接続を前提としているため、高速で低遅延な通信が可能です。

WAN(Wide Area Network)とは

WANは、広範囲にわたるネットワークで、地域や国を越えて複数のLANを接続します。WANは通信距離が長くなるため、遅延が発生しやすいですが、企業の拠点間のデータ通信やインターネットのような大規模ネットワークで利用されています。

LANとWANの利点と欠点

  • LANの利点:高いデータ転送速度と低遅延が可能。
  • LANの欠点:通信範囲が限定されている。
  • WANの利点:広範囲のネットワーク接続が可能。
  • WANの欠点:回線の品質により遅延が発生する可能性がある。

LANの種類とその特徴

LANには、有線LANと無線LANの2つのタイプがあります。

以下で、それぞれの特徴を詳しく説明します。

有線LAN

有線LANは、物理的なケーブル(主にイーサネットケーブル)を用いてデバイスを接続します。

安定した通信が可能で、データ転送速度も高速です。

  • イーサネットの概要:有線LANの代表的な技術で、データを効率的に転送できるよう設計されています。
  • CSMA/CD方式の説明と役割:イーサネットでは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式が使用され、複数のデバイスが同じ回線を利用する際の衝突を検出し、再送信することでデータの送信を効率化しています。

無線LAN

無線LANは、ケーブルを使用せずに電波を使ってデータを送受信します

。近年、Wi-Fiという形で一般的になり、スマートフォンやノートPCでよく利用されています。

  • 無線LANの仕組みと使用用途:無線LANでは、アクセスポイントを中心に、複数のデバイスが自由に接続できます。特に家庭や公共の施設など、ケーブルの敷設が難しい場所で便利です。
  • 無線LANの利便性と制約:ケーブル不要で移動の自由がある一方で、壁や障害物によって通信が不安定になることがあります。

まとめ:ネットワークの発展と未来展望

ネットワーク技術は、インターネットの普及とともに急速に発展してきました。
5Gや次世代イーサネット技術の登場により、さらに高速で信頼性の高いネットワークが実現しつつあります。

今後のネットワーク技術は、より多くのデバイスを接続し、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を駆使したスマートなシステムを構築するために進化が続くでしょう。

また、セキュリティ強化や省エネルギー化も重要な課題とされています。

現代の生活を支えるネットワーク技術の基礎を理解することで、今後のテクノロジーの進展に対応しやすくなるでしょう。

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