はじめに
今回は、OpenFOAMを使用して円柱周りの流れ解析を行います。
具体的には、直径100mmの円柱を風速10m/sの気流にさらし、その周囲の流速分布と静圧分布を求めます。
この解析は、流体力学の基礎を理解する上で非常に重要です。
特に、乱流の発生や後流の形成など、円柱周りの流れに関する現象を確認することができます。
以下に、使用するツールとその手順について説明します。
FreeCADでのモデル作成
最初に、FreeCADを使用して解析モデルを作成します。
このモデルには、円柱とその周囲を覆う風洞を模した直方体が含まれます。
- FreeCADを起動し、図1に示すように円柱と直方体を配置します。
- 直方体から円柱部分を切り抜き、モデルを完成させます。
- 完成したモデルを、流入口、流出口、円柱表面、その他の面に分解し、それぞれの部分をstl形式で出力します。
図1: モデル形状・寸法
詳細なFreeCADの操作方法については、こちらの過去の記事が参考になります。ぜひご参照ください。
XSimでのメッシュ生成と解析設定
次に、XSimを使用してメッシュを生成し、解析条件を設定します。
- ブラウザでXSimに接続し、プロジェクトを作成します。
- stlファイルをインポートし、スケールを設定します(図2参照)。
- 図3に示すように、円柱周りのメッシュを再分割し、解析に適したメッシュを作成します。
図2: 形状のインポートとスケール変更
図3: 再分割領域設定
次に、解析の基本設定を行います。
- 定常計算、終了サイクル500、乱流モデルには標準k-εモデルを選択します(図5参照)。
- 物性設定では、Airを選択し、初期条件として静止状態を設定します(図6, 図7参照)。
- 境界条件では、流入口の流速を10m/s、流出口を自然流入出、円柱表面を静止壁に設定します(図8参照)。
図5: 基本設定
図6: 物性設定
図7: 初期条件設定
図8: 境界条件設定
最後に、解析ファイルをOpenFOAM形式でエクスポートし、解析を行います。
- 並列数を設定し、出力設定を行います(図9, 図10参照)。
- 「エクスポート」をクリックして、解析ファイルをダウンロードします(図11参照)。
図9: 計算設定
図10: 出力設定
図11: 解析ファイルをエクスポート
OpenFOAMでの計算実行
次に、OpenFOAMを使用して、解析ファイルを実行します。
- ダウンロードしたzip形式のファイルを展開し、ターミナルを開きます。
Allrun
ファイルに実行権限を与え、./Allrun
コマンドを入力して計算を開始します。
このステップについての詳細は、こちらの過去の記事が参考になります。ぜひご参照ください。
ParaViewでの結果可視化
計算が完了したら、ParaViewを使用して解析結果を可視化します。
paraFoam
コマンドを入力し、ParaViewを起動します。- メッシュや流速分布、静圧分布などを確認します(図12~図15参照)。
図12: メッシュ
図13: 流速分布(ベクトル表示)
図14: 流速分布(コンター表示)
図15: 静圧分布
ParaViewの操作に関しては、こちらの過去の記事が参考になります。ぜひご参照ください。
まとめ
今回の解析では、円柱周りの流速分布や静圧分布を確認することができました。このような解析は、流体力学の理解を深めるだけでなく、実際のエンジニアリングにおける設計やシミュレーションにも役立ちます。
興味がある方は、次の記事もぜひご覧ください。
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