サマリ
CAE解析や数値シミュレーションにおいて、メッシュの選定は解析結果の精度や計算効率を左右する重要な要素です。
この記事では、主要なメッシュの種類であるテトラメッシュ、ヘキサメッシュ、ポリヘドラルメッシュ、トリムメッシュ、プリズムレイヤーの特徴と利点、欠点について詳しく解説します。
最適なメッシュを選ぶための参考となれば幸いです。
メッシュの種類と特徴
テトラメッシュ(Tetrahedral Mesh)
特徴
テトラメッシュは、四面体要素で構成された非構造格子です。複雑なジオメトリに対して自動的に生成しやすいという特徴があり、幅広く利用されています。
利点
- 複雑な形状への適応力:形状の自由度が高く、複雑なモデルにも対応可能です。
- 自動メッシュ生成の容易さ:自動化ツールを使用することで短時間でメッシュを生成できます。
欠点
- 精度の限界:計算精度が低下する場合があり、安定性にも課題があります。
ヘキサメッシュ(Hexahedral Mesh)
特徴
ヘキサメッシュは六面体要素で構成され、主に構造解析や流体解析で使用される高精度な構造格子です。
利点
- 高精度な解析:六面体要素により、非常に安定した高精度の解析が可能です。
- 計算コストの低減:計算の効率が高く、コストを抑えることができます。
欠点
- 複雑な形状への適応困難:複雑な形状に対してメッシュ生成が難しく、手間がかかることが多いです。
ポリヘドラルメッシュ(Polyhedral Mesh)
特徴
ポリヘドラルメッシュは、多面体要素で構成されており、テトラメッシュと比較して要素数が少なく、計算の安定性が高いメッシュです。
利点
- 計算コストの削減:要素数が少ないため、計算時間を短縮できます。
- 複雑な形状への適応力:形状に柔軟に対応でき、計算の安定性も高いです。
欠点
- メッシュ生成の複雑さ:メッシュ生成には時間がかかることがあります。
トリムメッシュ(Trimmed Mesh)
特徴
トリムメッシュは、ヘキサメッシュをベースにした非構造メッシュで、直方体要素がジオメトリに合わせてカットされています。規則性を保ちつつ、複雑な形状にも対応できるのが特徴です。
利点
- 複雑な形状への対応:高精度で効率的な計算が可能です。
- 高い計算効率:安定した解析が行えます。
欠点
- メッシュ生成の手間:時間と労力がかかる場合があります。
- 形状や条件による制約:特定の形状や解析条件に適さないことがあります。
プリズムレイヤー(Prism Layer Mesh)
特徴
プリズムレイヤーは、特に流体解析において、境界層の挙動を詳細に捉えるために使用されます。
壁面近傍の粘性層を正確に解析するために特化したメッシュです。
利点
- 境界層の解析に最適:壁面近傍の流れを高精度に再現できます。
- 高精度な流体解析:流体の微細な挙動まで捉えることが可能です。
欠点
- 特定領域での限定的適用:境界層以外の領域には適していません。
- メッシュ生成の複雑さ:生成には時間がかかることが多いです。
まとめ
メッシュの種類とその選定は、CAE解析の成否を左右する重要なポイントです。
テトラメッシュ、ヘキサメッシュ、ポリヘドラルメッシュ、トリムメッシュ、プリズムレイヤー、それぞれの特徴を理解し、解析の目的や対象に応じて最適なメッシュを選ぶことが、正確なシミュレーション結果を得るために不可欠です。この記事を参考に、最適なメッシュを選定し、解析精度を向上させましょう。
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