表面張力とは:流体の物理的性質

流体, 流体力学 流体力学
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表面張力

一言で表すと、、

表面張力とは、流体の表面が収縮しようとする力で、液体の表面が最小の面積に保たれる現象です。

概要

表面張力は、液体の自由表面に働く力で、液体分子間の相互作用によって生じます。

液体の表面は、内部の分子と比べて異なる力を受けるため、表面が収縮しようとする傾向があります。
これにより、液体の表面は最小の面積を保とうとし、さまざまな現象を引き起こします。

イメージ

表面張力をイメージするには、水滴がガラスの上に形成される様子を考えてみてください。

水滴は、表面張力によって丸い形を保ち、表面が最小の面積に収束しようとします。

また、針が水の表面に浮かぶ様子も、表面張力の影響を示しています。
表面張力がなければ、針は水面に沈んでしまうでしょう。

定義

表面張力(Surface Tension)は、液体の自由表面が最小の面積を保つように作用する力で、次のように定義されます。

$$
γ= \frac{F}{L}​
$$

ここで、

  • \( \gamma \) : 表面張力
  • \( F \) : 表面に沿って働く力
  • \( L \) : その力が作用する長さ

表面張力の単位はニュートン毎メートル(N/m)です。

液体の分子間力が強いほど、表面張力は大きくなります。
例えば、水は比較的高い表面張力を持つ液体で、油やアルコールは比較的低い表面張力を持ちます。

CAEにおける重要性

CAE(Computer-Aided Engineering)解析において、表面張力は以下の点で重要な役割を果たします。

  • 流体力学解析: 表面張力は液滴の形状や液体と固体の界面での挙動に影響を与えます。
    これにより、液体の流れや圧力分布を正確にモデル化するためには、表面張力を考慮する必要があります。
  • キャピラリー効果の解析: 表面張力は毛細管現象に直接関与しています。
    キャピラリー効果を解析する際には、表面張力のデータが必要です。
    例えば、液体が細いチューブを上昇する様子を予測するためには、この性質を考慮する必要があります。
    キャピラリー効果の詳細な説明はこちら
  • 液体の分離や混合: 表面張力は液体の分離や混合の挙動にも影響を与えます。
    異なる液体が混ざり合う際の界面の挙動を正確にシミュレーションするためには、表面張力の情報が不可欠です。

物理的意味合い

表面張力の物理的意味合いは、液体の分子が表面で異なる力を受けることで、表面が収縮しようとする現象です。

液体分子は自由表面での分子間力が不均一であり、内部の分子に比べて表面の分子はより強い引力を受けます。

このため、液体は最小の面積を保とうとし、さまざまな現象が引き起こされます。

まとめ

表面張力は、液体の表面が収縮しようとする力であり、液体の挙動や界面の特性を理解するために重要です。

CAE解析においても、表面張力を正確に考慮することで、より現実的なシミュレーションや設計が可能になります。

表面張力の特性を把握し、実際の問題に応用することで、流体の挙動をより深く理解し、適切な制御や設計を実現することができます。

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