本記事では、VOF(Volume of Fluid)法を用いてノズル先端からの液滴生成と落下を解析した事例を紹介します。
解析結果の概要
以下に、ノズル先端からの液滴生成と落下の解析結果の一部を紹介します。
体積分率0.5の等値面(分布はクーラン数)
体積分率分布図
本事例では、液滴の生成から離脱、再生成までの一連のサイクルを動画で確認できます。添付の動画では、液滴の落下中における振動も予測できていることがわかります。
解析情報
基本情報
- ソフト:SIEMENS STAR-CCM+
- モデル:3次元フルモデル
- セル数:約120万セル
物理モデル
- 手法:VOF法(Volume of Fluid)
- 時間ステップ幅:4E-5 秒
- 内部反復:5
- 流体:圧縮性流体(IAPWS-IF97(水)、理想気体)
- 表面張力:0.074 N/m
- 接触角:40 度
- 流れ:層流
- 重力:自重による液滴生成と落下を考慮
境界条件
- 入口境界条件:流量入口(質量ベース)
まとめ
今回紹介した事例では、VOF法を用いたノズル先端からの液滴生成と落下のシミュレーション解析について解説しました。本事例は、3次元フルモデルを使用し、詳細な解析を行った結果をもとにしています。
解析の結果、液滴が生成され、落下する際の振動やその過程における物理的特性が確認できます。
本事例は定量的な検証や評価を行っていないものの、VOF法を用いた液滴の挙動解析において有益な知見を提供するものとなっています。さらに、動画による結果の可視化により、液滴の振動や生成・落下の一連の過程を直感的に理解することができます。
今後、VOF法を活用したシミュレーションを実施する際の参考として、本事例が少しでも役立てば幸いです。
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